肩がズキズキ痛くなるのはなぜか。

folder症状について

今回は肩がズキズキ痛くなるのはなぜなのか。
その原因を考えてみたいと思います。

ズキズキして肩が痛い場合、肩周辺の組織に何らかの炎症が起こっている可能性があるのですが、肩周辺と言っても肩関節周辺を指す場合もあれば、首から肩までの辺りを示す場合もあります。また、肩の痛みから派生して腕や手にかけての痛みを伴うものや首や背中に痛みを引き起こすものもあります。

大きく2つの部位からズキズキする痛みについて考えていきたいと思います。

  • 肩関節周辺でズキズキした痛みを感じる場合について
  • 首と肩の関節の間(肩こりを感じる部位)にズキズキとした痛みを感じる場合について

肩関節周辺でズキズキした痛みを感じる場合について

ズキズキして疼くような痛みを感じる場合、組織の炎症反応を疑います。

肩関節周辺でズキズキした痛みを感じる場合、靭帯や筋肉、軟骨などが何らかの原因で傷ついてしまい、組織が損傷し炎症している可能性を疑います。

こういった炎症反応を起こす肩周囲の疾患には下記のようなものがあげられます。

  • 肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
  • 肩峰下滑液包炎
  • 腱板断裂
  • 上腕二頭筋腱炎
  • 棘上筋腱炎
  • 石灰沈着性腱板炎

肩関節周囲炎・四十肩・五十肩

肩関節の周囲の軟部組織が損傷し、関節拘縮をおこしてしまう疾患です。

最初は腕を上げたり、肩を回した時のちょっとした動作で痛みが出始め、同じような動きで何度も痛みを起こしているうちに、肩関節内の組織の傷が広がり、炎症していってしまうと、ズキズキした痛みを引き起こし始めてしまいます。

肩峰下滑液包炎

肩峰下滑液包炎は、肩に無理な力が加わったり、テニスやゴルフ、野球などのようなスポーツで肩を使いすぎたことが原因で、肩の肩峰とよばれる部位の下にある滑液包が損傷し炎症を起こしてしまうものです。肩関節の上部のあたりにズキズキとした痛みを感じます。

この肩峰下滑液包炎も肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)と同様に肩を動かしたときに痛みが出たり、可動域を制限し、肩関節周囲炎へと発展していく場合もあります。

肩関節腱板断裂

腱板は、肩関節を取り巻くように走行しているインナーマッスルの棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋の4つの筋肉群のことを言うのですが、これらのいずれかの筋肉が断裂してしまった疾患です。原因として、転んで肩から倒れてしまったり、重たいものを持ち上げたときに切れてしまうことがあるのですが、筋肉の老化によって徐々に筋肉が擦り切れて、ちょっとした衝撃で切れてしまうといったこともあります。

インナーマッスルの損傷なので、肩や腕を捻ったり、腕の上げ始めで痛みが生じるのですが、アウターマッスルは問題がないため、肩を動かすことができたりします。

四十肩や五十肩の症状と似ている要素もあるのですが、特徴としては、痛みが回復しても、再び痛みが出始めたりと、症状に波があることが多いです。また、断裂しているかどうかの判断は難しく、MRIでみないとわからない場合もあるので、症状が安定しない、なかなか改善しない場合は整形外科でMRIの診察をうけることをおすすめします。

完全断裂している場合、手術で縫合しなければ痛みの改善は難しい疾患となります。

上腕二頭筋腱炎

上腕二頭筋と呼ばれる、いわゆる二の腕の筋肉で、筋肉が腱になって肩甲骨に付着していくのですが、この上腕二頭筋腱が筋肉の間や骨の溝の中を走行している影響で、筋肉の使いすぎで、腱がこすれて損傷してしまったり、逆に使っていない状態が長く続いて筋肉が弱くなっていると重たいものを持ち上げたり、変な体勢で肩を動かしたときに腱が損傷してしまうことがあります。

すると、肩関節の前面にズキズキとした痛みや肩を上げていったときにズキっとした痛みを引き起こしてきます。

棘上筋腱炎・石灰沈着性棘上筋腱炎

棘上筋は肩甲骨の上部から肩峰と呼ばれる肩甲骨の突起の下を通り、上腕骨に付着する筋肉で、この肩峰の部位が狭くなっているため、肩がずれてしまったり、他の筋肉の緊張によって、筋肉が挟み込まれてうまく動かすことができない状態となり、損傷してしまうことがあります。損傷した筋肉が変性してカルシウムが分泌され、石灰化していくと考えられているのですが、なぜこの部位だけ石灰化を起こすのかという原因はわかっていません。

石灰化した筋肉が骨にぶつかって痛みがでる疾患のため、ある一定の角度での肩が痛くなり、とても治りにくい症状の一つでもあります。レントゲンで石灰の沈着は確認することができるため、肩の痛みが全然改善しない場合はレントゲン撮影で状態を確認することが大切になります。

まとめ

ズキズキした痛みが出始めると、痛みで目が覚めるほどの痛み(夜間痛)を起こすこともあります。強い痛みは痛み止めが効かないこともあるため、あまりにもひどい痛みの場合は痛み止めの注射で痛みを抑えることも必要な場合もあるので、整形外科で相談することも大切になります。

カイロプラクティックでは肩関節の矯正や肩周囲の筋肉の運動制限を解除したり、機能改善を目指す施術を行っていくのですが、すぐに改善していく方もいれば治るのに時間がかかってしまうこともあります。やってみないとわからないこともありますが、状態を見て最初の施術での改善度合いでどのくらいかかるのかを判断できるので、肩の痛みで悩んでいる方は一度足を運んでみてください。

こちらは肩の痛みの改善例です。

今回の記事では、肩に痛みを感じたときにどうすれば良いかということについて、書かせていただきました。肩の症状でお悩みの方の参考になりましたら幸いです。

こちらの記事も参考にしてみてください。 

👉️ 四十肩・五十肩について

👉️ 肩の痛みの症例