産後の鼠径部痛(30代女性)

産後の鼡径部痛(30代女性)
産後の鼠径部痛(30代女性)

出産直後より歩行時に両側の鼠径部に痛みが出現。産後1ヶ月を経過しても痛みが軽減せず、さらに授乳中の肩こりや頭痛も伴っていた。最近になり腰痛も出現してきたため、「骨盤矯正」を求めてリガーレカイロプラクティックに来院。

<初回の状態>

腰椎の屈曲(45度)/伸展(10度)にて腰痛

・特に腰椎屈曲位から戻す際に痛み増悪

・足挙げテスト(SLR)-陰性

・朝方のよりも夕方にかけて痛みの増悪傾向

・自動運動にて足挙げ腹筋が腰痛のため上がらない

・もも挙げ運動にて両鼠径部に詰まり感あり

<経過>

初回施術

腰椎の屈曲・伸展時に殿部筋を刺激しながら再評価したところ、痛みの軽減が見られたため、骨盤帯の不安定性が要因と考え、骨盤矯正(骨盤帯筋群の調整)を実施。施術後、腰椎屈曲は45度から約80度まで改善。

2回目(1週間後)

施術翌日は調子が良かったが、数日後に腰痛が再発。ただし、鼠径部の詰まり感はその後出現していない。

3回目(さらに1週間後)

施術後2日間は良好。骨盤帯の安定性向上を踏まえ、治療範囲を腰椎の可動性改善に拡大。自宅でのホームエクササイズも指導。

4回目(1ヶ月後)

3回目以降、腰痛は出ておらず安定。背中のこりが主訴となり、現在はメンテナンス施術へ移行中。

<まとめ>

産後の骨盤の不安定性が、腰痛および鼠径部痛の主な要因となっていた症例。骨盤矯正により骨盤帯の安定性を回復させたことで、腰椎への負担が軽減し、症状の改善に繋がった。継続的な施術と運動指導によって、良好な状態を維持できている。

担当 日野コメント

初回の状態では、産後1ヶ月という時期もあり、骨盤帯の関節が不安定であったため、周囲の筋肉に過剰な負荷がかかっていました。その結果、日常的な動作でも筋肉が過緊張を起こし、痛みが増強している様子が見られました。

治療初期は、骨盤矯正によって一時的な改善は見られるものの、日常生活の負荷により治療効果が長続きしにくい状態でした。しかし、継続的な施術と、患者さんご自身によるホームエクササイズの実践により、筋肉の緊張が徐々に緩和され、骨盤帯の安定性も向上。結果として症状の再発が防がれ、より良い状態を保てるようになりました。

この症例は、骨盤矯正とセルフケアの両輪がうまく機能した好例です。産後の腰痛や股関節周囲の痛みにお悩みの方、また治療してもすぐ元に戻ってしまうと感じている方は、ぜひ一度カイロプラクティックによる骨盤矯正を受けてみてください。