産後2年経つが、なかなかよくならない右腰の痛み (30代女性)

産後2年が経過した患者さんのケースです。
一番最初に腰の違和感を感じたのは、産後すぐの時期でした。
産後2ヶ月間は骨盤ベルトを使用していたため、痛みは比較的安定していましたが、ベルトの使用をやめてから腰痛が再発。その後、お子さんの成長とともに抱っこの機会が増え、徐々に腰の痛みが悪化しているように感じるようになりました。
また、「以前より姿勢が悪くなった気がする」という自覚もありました。
<初診時の状態>
腰椎の前弯(反り)がやや強い
骨盤の開きがみられる
右股関節前面の筋肉の緊張が強い
体を反らすと腰の下部に痛みが出現
腰椎から仙骨にかけての可動性低下
これらの状態から、産後の骨盤の不安定さと姿勢の崩れが腰痛の原因と考えられました。
<治療経過>
■1回目の骨盤矯正
腰仙部の動きの悪さを改善し、骨盤の開きを戻すことを目的とした骨盤矯正を行いました。
施術後は、骨盤を安定させるため骨盤ベルトの再使用を指導しました。
■2回目の骨盤矯正
施術後しばらくは日常生活で痛みを感じることはありませんでしたが、前日から右腰に再び痛みが出現。
継続して骨盤矯正を行い、抱っこ時の姿勢改善を目的として胸椎(背中)の調整も実施しました。
背中が丸くなり、腹筋の弱化がみられたため、簡単な腹筋トレーニングを指導しました。
■3回目の骨盤矯正(1週間後)
腰の痛みは消失。
一方で、背中の張り感を自覚。
座位姿勢を見たご主人から「座高が高くなったね」と言われ、姿勢が良くなったことを実感されたとのことでした。
まだ骨盤の開きが残っており、臀部の筋肉の緊張も強かったため、ストレッチをしっかり行いながら、骨盤の安定性を高める骨盤矯正を行いました。
症状は安定しており、メンテナンスへ移行し定期的に骨盤矯正を継続中です。
担当:橘田のコメント
産後すぐから骨盤ベルトを使用していても、この患者さんのように腰椎や骨盤の関節の動きが悪かったり、骨盤にズレがある場合、なかなか症状が改善しないことがあります。
また、骨盤に歪みが残った状態のまま骨盤ベルトで開いた骨盤を締めてしまうと、かえって状態を悪化させてしまうケースも少なくありません。
産後の腰痛や違和感が長引いている場合は、骨盤の状態や動きそのものを確認し、適切な骨盤矯正を行うことが大切です。
産後の症状がなかなか回復せずお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
当院では、平日に託児スペースを完備しておりますので、お子様とご一緒でも安心して来院していただけます。





